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アン○ミラー○に入る。
ここは何を食しても高い。どんなに吟味して注文してもボッタクリだという観念がぬぐえない。理由は恐らく料金の三分の一を吸い取っているであろうウェイトレスネーちゃんのミニスカにあるのかも知れないし、そうでないかも知れない。とにかくそれでも他にタバコが吸える店が近くになかった為ミ○ーズに入った。
すると隣の席でワシワシとバカ高いケーキ等を貪っていたフィリピン系お姉さんがやおら立ち上がりサイフを取り出そうとバックを振り上げた。狭い狭い店内である。お姉さんの所有物であるところのバッグが私の席の角に鎮座ましましていた塩やらコショウやらその他バカ高い料金に一役買っていると思われる様々な代物をグァラグァラとなぎ倒し、脆弱な調味料の瓶は下にまっさかさま、頭こそ体についていたものの、中身をブハァっと床にぶちまけて力なく横たわった。床に調味料のちょっとした溜りが形成される。白黒白黒。黒やや優勢。地黒の異邦人はそのまま立ち去ってしまう。塩コショウが床からオレはもうダメかもしれねえ、へへへとキラリと金属の光を放っている。
屍は拾ってやることにして、とりあえず彼をテーブルの隅の隅に安置する。死体洗いをしてもらおうとミニスカ連隊に声をかけようとするが誰もこない。注文すら取りに来ないのだから現在弔いのしたくを待っている塩コショウに意識を向けよというのが無理なのかもしれない。忙しい忙しいミニスカとっても忙しい。死人を取りにこいだと?バカヤロー今戦の真っ最中だぞ、そんなもの放っとけっ しかし上官っ ご注文お決まりですか~と妄想を醒ます声がする。ああはい、注文ついでに、さっき隣の人が塩コショウを落としてしまったのですが。あ、はい。
ミニは安置してあった瓶を卓の定位置に戻してついでにナフキンも直して立ち去る。去った。すげなく行ってしまった。瓶は卓の上にある。先ほどの悲惨な出来事などなかったかのような安穏な姿、しかし彼を襲った悲劇はその中身が半分くらい減っていることで明らかなのである。
ミニの意図は分からない。一旦穢れてしまった瓶を使って食事したくないという私の要求がよく飲み込めなかったのかも知れないし、もしかしたらバカヤローこの忙しいのに以下略しかし上官以下略そんなに塩コショウが欲しけりゃ床にあるのを舐めなっアーハハあんたにはそれがお似合いよということなのかも知れないしミニスカ条例の中には落ちた瓶を厨房に下げるという一文がないのかも知れないがワタシは曲がりなりにも女性なので如何に彼女たちが身をかがめてキュッとお腰を強調しても騙されない。騙されないぞぅ。